デモナータ シリーズ 解説(酷評寄り)

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デモナータシリーズとは ダレン・シャンの作者ダレンシャン氏の次の作品であり

悪魔・魔術師を題材にした作品であります 当時ダレンシャンが完結し途方にくれましたが ダレン氏の完全新作ということで期待していました

この作品はダレンシャンより不可思議な世界観で第1巻から引き込まれました

しかもこのシリーズは主人公が3人いて それぞれの視点や時代を描いており

ダレンシャンにはできなかった工夫がされており世界観の壮大さを感じます

 

ただ・・自分としてはこのシリーズは終わってみれば ダレンシャンの方が面白かったなぁ・・と感じるほど あまり評価していないんですよ・・

ではなぜこのシリーズを僕が評価していないか解説します

 

グロすぎる

これにつきます 今作は悪魔との闘いが本筋なのですが とにかく人間サイドがむしけらのように殺さるし なんというか気分が悪くなるくらい人間の苦痛だとか生々しく描かれています ダレンシャンもグロテスクな描写はあったのですが ダレンの場合は

ヴァンパイアとして厳しい世界を生きるための必要な描写だと感じますが

どうもこの作品はグロイのが描きたいしか思えないのです

このデモナータ 漫画にも映画にもなっていないんですが こんなの映像化したら問題になりそう

グラブス視点が多い

上でこのデモナータの主人公は3人いて グラブス カーネル ベックというキャラで

それぞれの視点で物語が描かれるのですが 

1 グラブス

カーネル

3 グラブス

4 ベック

5 グラブス

6 グラブス

7 ベック

8 グラブス

9 カーネル

10 グラブス

とほとんどグラブスの視点なんですよねぇ・・せっかく主人公が3人いるのだから

もっと均等にできなかったのでしょうか

登場人物に魅力を感じない

正直ダレンンシャンに比べるとうーんとなる人物が多い

まず本作の中心人物であるグラブスですけど 彼はとにかく臆病なんです

自分の運命と向き合っていたダレンと比べると明らかにヘタレでした

ただ彼は自分でそういう運命を選んだわけではないので不憫ではあるんですけど・・

もちろん後で成長しますけど シリーズ後半なので遅すぎるくらいでした

 

逆にカーネルとベックは好きでしたね ベックは女の子ということでグラブスとは

違う感性を持ち新鮮な気持ちで読めました

・ダレンシャンのクレプスリーのポジションにあたるグラブスの叔父ダービッシュおじさんですけど 彼も魅力的なキャラでしたが どうも7巻のベックへの虐待的な接し方で印象を下げてしまいましたね・・

・そして今シリーズ最大の宿敵ロード・ロスですが ロード・ロスは作中登場する

悪魔で唯一人間と会話できたり 強大な魔力を持つ魔将です

ロード・ロスもちょっと魅力を感じない敵キャラでした やっぱり邪悪すぎる所でしょうか しかもこいつと決着がつかないのが納得できません

ダレンシャンのミスタータイニーといい 黒幕に一矢報いないまま終わらないでほしかった あれだけのことをやってきたのに

・ナディアですけど 彼女も敵サイドになって カーネルとの葛藤とかあるのかなぁと

思ってましたが本当にただの悪魔になってしまったのは残念でした なんかもっと掘り下げようがあったのではないかと感じます

後半の疾走感

前半は物語の謎や世界観 主人公達はいつ終結するのかとワクワクしてましたが

どうも後半は蛇足感があります 世界を巻き込んだ悪魔との壮大な戦いになっていくのですが なんか普通に話がつまんなくなっていったんだよな・・

正直言うと7巻以降のストーリーを全く覚えていません 新キャラも何人かでましたが

記憶に残っておらずぱらぱら読みでした

そして今作の結末でしたが・・ざっくりまとめると主人公達が神的な存在になって

宇宙を再構成するというもので グラブスがこう宣言して終わります

「光あれ! よーし!」 終

 

なんだこれ

なんというか今作は大きく期待はずれではあるものの ダレン氏の描く不可思議な世界観には惹かれていたので 60点くらいの感想でしょうか

そしてこのデモナータ以降 クレプスリー伝説が発売されて それからダレン氏の活躍を聞かなくなってしまったのは残念でした まあTwitterみるかぎり

いまでも作家を続けているみたいですけどね