ジョゼと虎と魚たち 感想

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2003年に犬童一心監督により実写映画化された田辺聖子の同名小説を、新たに劇場アニメした恋愛映画です

・あらすじは大学で海洋生物学を専攻する恒夫が、ひょんな事から足の不自由な少女

ジョゼと出会い ジョゼの祖母から彼女の相手をするバイトを持ちかけられる所から始まる

・ヒロインのジョゼは 辛辣な性格で 主人公に対しては初めは当たりちらすことが多いですが主人公と触れ合っていくうちに徐々に心開いていきます

命の恩人にあの態度はないんじゃのか?と思いましたけど

ヒロインは外の世界へ強い憧れをもっていて 何より「海」が好きで この海の描写が

アニメとして綺麗に表現されていました あと絵を描くのがうまいのですが

彼女の今後の人生の支えになるのかな

・主人公に外の世界へ連れられて 楽しいことをするうちに心を開いていくのですが

主人公とヒロインにも「不幸」がきてしまいます。お互い精神的にボロボロになっていく描写は見ていて辛かったです

・最後のヒロインの作った絵本紙芝居「人魚姫」なのですが これまでの主人公とヒロインの出来事をうまく物語におとしこんでいて 次の一歩を踏み出せるような励ます演出はよかったです

・この作品は「障害者」という単語は一切出てきません 意図的なのでしょうが

よかったと思います。障害を持ってる人達にとってはそんな呼び方されたくないだろうし

・主人公が面倒を見ていくのではなく ヒロインが夢のために自立していくラストは

意外でしたけど 近い未来で結ばれるだろうという描写はあるので すっきり終われる

恋愛アニメでした

・気になったのはちょっと尺が足りないと思う所がありました。ヒロインの家庭事情

がほとんど明かされなかったり もう少し掘り下げてほしかったキャラクターもいます

時系列がざっくり進むので 原作未読の自分にも「なんかカットしてるなぁ」と思ったのは残念です

・声優は一部を除くと俳優の方がやっていますが 問題ないと思います

ヒロインは喜怒哀楽激しい性格ですがよく演技できていました

・主人公のバイト仲間の女にはちょっとイラっとするかも でもある意味このキャラクターが物語を動かしたので結果オーライなのではないでしょうか

・この作品は決して足または体の不自由な人へのやすい同情を描いたものではなく

一本の恋愛映画として楽しめると思いますとはいえやはり考えさせれるものあり

ました カットされてる部分もあり残念ではありますが見てよかったと思える映画です