吸血鬼に天国はない2 感想

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著者 周藤 蓮
電撃文庫

龍が如く7 5章まで進みましたやり込み要素が多く楽しくてあまりストーリーがすすみませんが 面白いです 主人公春日一番は桐生とは違う魅力があります

それはそうと吸血鬼に天国はない2巻 ようやく読み終えたので感想を書きます

前のとおりストーリーを追った感想などでネタバレを含みますので

楽しみにしている方はご遠慮願います

 

一 終わった物語への再定義

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シーモア・ロードがルーミーに愛の告白をして3週間 ルーミーは シーモアの仕事の相棒として 平穏に過ごしていました

前作のことが年末のことだったのにも ちょっと意外ですが これマフィアの抗争の中

での仕事帰りなんですよ しかしこのシーモアの幸せな表情いいですよね

非合法の運び屋なんで普通の平穏とはちょっと違いますけど・・

 

しかし新年を迎えたのもつかの間 かつてルーミーを雇い 最後にはすてゴマにした

マーダー・インクの社長 クラウディアが現れました!

まさか報復しにきたのかと思いきやなんでも マーダーインクにはルーミーを殺すつもりはもうないそうです うーむなんか罠くさいな もう襲わないから安心してね!

ってわざわざ本人達の前に出てくるのでしょうか クラウディアが去る時

部下と思われる「狼じみた男」が「ヨハン・ヨアヒム・ウルブリト」という男を知ってるかシーモアに尋ねました 当然聞いたことがないのでシーモアは首をかしげますが

見かけたら教えろと

何か意味深げなこと言って去ったマーダー・インク ですが・・

 

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その後 二人は マフィアに追われる 二人の姉妹に出会います

姉の方が赤い髪と目をした ニベルコル・バーズアイ

妹の方が黒い髪と赤い目をした リン・バーズアイ

リンは体が大きく 超人じみた身体能力をもち 「うー」だとか言葉が話せない

ようです ツインテール少女 ニベルコル可愛いですね 見た目どおり

ツンツンしていて うさんくさいシーモアを信用しません

姉妹はストリートチルドレンでなぜマフィアに狙われてるかわからないようです

妹想いのニベルコルはせめてリンだでも安全な場所へ「運ぶ」依頼をしました

しかしなんだかんでシーモアは 皮肉屋に見えますけど 人がいいですよね

 

次の日 双子の保護をしたのはいいのですが 生活の準備をしなくてはいけません

(しかし 女の子を3人も家へ連れ込んでることになるんだよな・・)

その時 シーモアとニベルコルは怪しい人達に追われることになってしまいました

どうやら姉妹は売女を装って 金をだまし取って生活してたらしくその報復らしいですのですが・・ まだ10代後半だと思われる女の子の体を買おうとした連中に同情もないですよね

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たまたま徒歩で出かけていたので 車は使えず走って逃げるしかない二人

シーモアは体力に自信がないらしく きつそうなんですが

ニベルコルの驚いた表情が可愛いすぎる・・

なんとかまきましたけど こういうコミカルな場面は1巻ではなかったので

うれしかったする

翌日 シーモアはいつものガレージでルーミーに問いだします

あの超人的な身体能力の体のでかさ 彼女は吸血鬼ではないのかと

しかしルーミーはそれはないあっさり否定します なんでもこの世に吸血鬼は

ルーミーしか存在しないそうです しかし明らかに普通の人間ではない

しかしシーモアは無用な検索はしませんでした それが運び屋のルール

 

シーモアはリンと共に仕事場へいきました

「お兄ちゃんまた新しい女の人を連れてるんですね」

1巻でも出てきた情報屋の少女 フランシーナ 通称フランですね

今回はイラストがないのが非常に残念ですが幼女とは思えない

下卑た笑みを持ち闇社会の裏を知り尽くす少女

フランは「ヨハン・ヨアヒム・ウルブリト」の事を聞いてないか問います

うむまたこの名前か・・ヨハンとは一体何者なのでしょうか

 

その夜 4人が食事してるやはりニベルコルはシーモアに疑問を持っていました

「アンタ人は助け合うべきなんて素敵なことを考えるタイプの人間じゃないじゃない」

もしかして体が目的なのでは なぜかシーモアが手を出すか出さないかの話になりました その後 なぜシーモアに手を出さないかという話になって

シーモアが最低の返事で笑いましたww

「そのー、ほら ルーミーって見た目以上に力が強くて、たぶんリンさんよりよっぽど破壊力があるので・・手を出すというか「入れる」と僕の

アレが潰れてしまいそうで・・」

その直後ルーミーに10メートルはぶっ飛ばさされるシーモア これはさすがにどんな女の子もキレる

そこでシーモアがあることに気づきます ルーミーがいつもより多くの食事をとってることを

「今日はよく食べますね どうかしたんですか?」

そのありふれた問いかけにルーミーが肩を震わせます

ニコルベルも首をかしげます「どうかしたの?そんなにお腹が空いていたのかしら?」

 

ルーミースパイクは人を襲い 血を吸う吸血鬼 そうしなければ生きてけない

彼女の「飢え」が確実に近づいていた

人を殺さなないと約束したルーミーですけどやはりこういうのは自分の意志でどうにかなるようなものではないらしいですね・・

 

二 こなれた真相の再展開

ルーミーはライカーズと呼ばれる刑務所にいました  ルーミーは吸血鬼の能力を使い

蝙蝠や霧に変身し 中へもぐっていきます

やはり飢えは抑えることができないようで 食べても怒られない人

つまり囚人を襲いにきたわけですね 

そんな時ルーミーは若い女の囚人に会います

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その女はルーミーが人間ではないとすぐに気づき ルーミーから刑務所にきた理由をきくと

「確かに君は 正しい場所へきたね この街でぼくよりも殺されるべき存在なんていないよ 何せぼくはあの 「ボーデン家の死神」なんだから」

女は死神と名乗り これまで沢山の殺人を犯した殺人鬼だそうです

ルーミーが知らないと答えてショックを受けてるのは笑いましたけど

また危なそうなキャラが出てきたなぁ ルーミーは彼女が殺人鬼というのは

なんとなくわかったそうですが興味なさそうに帰りました

 

ニベルコル・バーズアイは夢を見ていた 誘拐された時の夢

「抵抗するな従え」男の要求はそれだけだった その言葉は

彼女の人生のそばにあった こういう時は誰も助けてくれない

助かろうと思うなら 自ら行動するしかない

なにやらいきなり彼女の過去が解説されましたけど やはりこの姉妹

なにか秘密がありそうですね・・

 

その日 なんとシーモアは自分の血をルーミーに飲ませようとしました

ルーミーの吸血鬼の飢えの限界が近づいてることを気づいていたようですね

まあ好きな女の子を守るため かっこいい行動ではあったのですが・・

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ルーミアの寝顔かわいすぎだろ!

シリアスなシーンで悪いので悪いのですがルーミアって肉感的なスタイルいいですよね

しかし ここでシーモアの体に異変が起こります

背筋を駆け抜ける悪寒と魂を吸い取られるような脱力感 死ぬー

吸血は「生きる分だけ吸えばいい」という都合のいい事ではないようです

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・っ!!」

ルーミアは目を覚まし シーモアを突き飛ばします

その後 かなりギクシャクしてしまいました 知らなかったといえ もう少しで

死ぬ所でしたからね ルーミアが家から出てしまった後

ふてくされるシーモアにニベルコルが一喝します

「アンタが間違ってるのは アンタが対話を拒否したその一点よ」

「対話を拒否なんて、別に僕は・・・」

「した したのよ。 それについて語らなかったのは君だ なんて不理解の責任を相手に押し付けるだけの言葉が 拒否でなくて 何だっていうの?」

シーモア達の事情は知らないのにここまで言えるってすごい子だな 伊達にお姉ちゃんやってないよ

 

ルーミーはなぜか ライカーズ刑務所のボーデン家の死神に会っていました

吸血鬼であるルーミーは人に同意や共感を求めません

ですが怪物に近い死神くらいしかケンカした相談する相手がいなかったようですね

死神はあっさりルーミーが悪いと言いました

「本来ならその人無鉄砲で向こう見ずなやさしさは善なんだよ そんな小さな優しさ

を死のトラップに変えてしまう君が悪いんだ だって君は怪物なんだから」

この殺人鬼なにかといい奴なのか・・?

しかしルーミーの死神はなぜ人を殺すのか質問した所

殺すから殺した どうしてとかそういうものはなくただ殺さなきゃと思っただけ

というシンプルなもの あかんこいつ 完全なサイコパスやん・・

その後ルーミーはシーモアと仲直りしました お互いのことをよく話あうことにしたようですね そのきっかけを作ってくれたのが殺人鬼なのは皮肉ですが・・

 

数日後 シーモアはフランから「ヨハン ヨアヒム ウルブリヒト」とは何者か聞きました ヨハンとはこの街をかき回す 5大マフィアの一角 ブラッドファミリーの

幹部らしいです その人物が今行方不明になっるということ

「そんなあぶない 奴の情報を僕に寄越せって言ってたのかお前は!」

「みぎゃあ!」

シーモアに頭をごりごりされて悲鳴をあげるフラン この図イラストで見たかった

しかしその帰り

シーモアは謎の男に拳銃で撃たれてしまいました ええ 主人公ここで死亡!?

 

留守番をしていた少女達にも 異変がおこってました

ニコルベルがルーミーを杭で刺したのです!

どうやらニコルベルは「吸血鬼狩り」の命令でルーミーを殺さなくてはいけないそうですが 「抵抗するな従え」 黒い目をしたその男 「ヨハン ヨアヒム ウルフリヒト」はただ命令するだけ 妹を殺すと脅されては 従うしかなかったそうです

なんだかんでリンですら ルーミーの戦闘力には勝てず ルーミーも姉妹を殺す気はなかったようでシーモアが帰ってきた後何事もなかったようになってました

なんでもルーミーの心臓を借りていたらしく銃で撃たれても死なずにすんだようです

よかった・・ シーモア達に本当のことを話し ルーミアもやはりヨハンに狙われているよう

三 誓った言葉の再崩壊

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吸血鬼狩りの ヨハン ヨアヒム ウルブルヒト

カメラという女性を理不尽に殺しました

カメラ! カメラ!  カァーーーーミラ! 吸血鬼カーミラ!そのような偽名で私が騙せると思ったか!吸血鬼カーミラめ! 我が一族の技術の粋!

吸血鬼滅殺闘技をお見せしよう!」

吸血鬼滅殺闘技ってなんやねんwwとつっこみたいですが この女性は

伝承の吸血鬼カーミラに名前が似てるから殺されたようです

こんなの理不尽すぎる・・ てかこのじいさんただの中二病なんじゃ

 

そしてついに シーモア達の前にヨハンが襲い掛かってきました

吸血鬼であるルーミーに 一歩も引かない闘いを見せるヨハン

吸血鬼滅ぶべし 一体何がここまでこの男を動かすんだろうな

なんとか逃げましたけどシーモアが明らかに ルーミーが手加減していたことに気づきます

やはり彼女は人を殺さないという約束を守るつもりでした

人を好きになりたいという思いを踏みにじりたくないと

 

シーモアは悩んだあげく ヨハンを殺すのにはマフィア同士で抗争を起こし

巻き添えを狙うしかないと考えたそうです ブラッドファミリーの銃で

どこかのマフィアを殺害し戦争のきっかけを作ると うーむこの方法は正直

どうかと思いますけど・・

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しかし 人殺しなどやったことないシーモア 戸惑いつつも 銃を撃とうとした瞬間

なんと止めたのはリン・バーズアイでした

リンの周りには光につつまれた妖精たちが喋れないリンの代わりに

彼女の正体を語ってくれました

リンとニベルコルは双子ではない

実際のリンはニベルコルが産まれた後 その傍に現れた

入れ替わり子(チェンジリング) 生まれた子供が ある日当然別人に入れ替わる

リンとニベルコルはその失敗例で 世界から消えるはずだったニベルコルが残ってしまい 途中で双子ということになり その異常さに家庭は混乱し崩壊

 

シーモアは その能力を持ちながらなぜ姉と路上生活をしているのかリンに質問します

リンの気持ちを妖精たちが代弁すると

自分のせいでお姉ちゃんは家をすてた  妹を守って生きるために それなのにそんなことをしなくても

「妹は一人で生きていける」と知られたくなかったそうです

 

「うー」とかうめき声しかあげないリンですがそんなことを考えていたのか・・

ニコルベルには言わないことを約束したのはいいですが ヨハンを倒す策は失敗になってしまいました

 

あろうことかシーモアルーミアに人間を食べてもいいと 言ってしまいます

そこでまた喧嘩になってしまいました ルーミーの飢えの限界 他に方法がないのは

わかりますが さすがに失敗でしたね

四 壊れた恋の再構築

ついにきてしまったルーミーとヨハンの直接対決

ヨハンは聖水や吸血鬼が苦手そうな道具などを使い

ルーミーに一歩も引きません 吸血鬼と互角に戦える人間がいるのも

驚きですがこの男の執念がすごすぎる

 

ここでルーミーはとうとう飢えの限界がきてしまいます

自我が失う 本物の吸血鬼が覚醒する

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本能が理性を食い尽くす

その時世界が絶叫した

そこからは 闘いではなく一方的な虐殺でした

正気を取り戻したルーミーの目の前にあったのは ヨハンの死体と

口を覆う大量の血でした 絶望と失望の念にとわられるルーミー

「こんなことをするために 私は・・・・・」

シーモアがルーミーにかけより 帰ろうと声をかけます

「かえってどうすればいいのでしょうか 私はこれからも こうして人を食べていくしかないのに」

「わからないよ」

わかっていたらこの場にはいない

それでも生きる  一体どうして? シーモアの出した答えはこれでした

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「 君は これから僕を好きになる」

「好きになるんだよ 僕のことを もう人間が好きなんて舐めたことはいわせない」

「君は僕を好きになって 僕に好かれるように必死になる 」

「君は純粋ではいられないけど 僕が微笑みかければ その辛さを我慢できるようになる」

 

それは愛の告白ではない 最悪の言葉だった

それでもルーミーには生きていく理由には 暖かいものセリフでしたね

シーモアとルーミーは歩き出す 生きていくために

終 途絶えた僕らの再成長

バーズアイ姉妹は旅たちの準備をします ヨハンがいなくなったので

そろそろお別れしなくてはいけないのか・・

そんな時シーモアから電話が入りました

なんでもシーモアは「H&F運送会社」という会社を立ち上げたようです

人手が足りないのでそこの従業員になってみないかとスカウトの電話だそうです

姉妹はここでフェードアウトかと思いましたが このままこの作品の

主要人物になるそうですね 

 

 

ルーミーはいつもの通り ライカーズへ立ち寄ると

異変を感じました 死神がいなくなっていました

そこには「また会おうね」という血文字

 

       死神が街へ解き放たれた

 

今回はルーミーとのシーモアの関係 新ヒロインのバーズアイ姉妹と

見どころにある一冊になってました

1巻では終盤まで本心を隠していたルーミーですが

今回は本気でシーモアと向き合っていくのもよかったです

ボーデン家の死神が脱獄したり 会社を設立したり また続きが気になるラストですが

一体何が起こるのか ハラハラしています

著者 周藤 蓮 様 また素敵な物語をありがとうざいました

3巻の告知はこの時点ではありませんが楽しみにしています

ちなみにこの記事書くのに4時間はかかった